日々、幸せ感じ上手。

いつまでも可愛くいたい、アラフィフ熟女子の日記です。

時代が早すぎた!昭和の高齢者結婚を論じた本は今こそ読むべき。

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昭和55年、奈良女子大の教授であった著者によって出版された『老婚へのみち』(森幹郎 著、ミネルヴァ書房、1980)はAmazonでさえも手に入りにくい希少な本になっているため、他の本よりも文字数を増やして紹介します。


基本的に「配偶者を無くした高齢者同士で再婚する事」についての学術書であり、離婚経験者についてはほとんど触れていません。また、婚活本ではなく、相手がいるという前提で書かれています。


ですが死別者、離別者に関わらず40代以降で結婚を考えている方にとっては、参考になる本だと思います。


"本書は、現に結婚しようと思っている老人がいれば、これを勇気づけ、その子供にじゃまをしないでほしいと願い、また、近隣の人や友人達にその老人を祝福してあげてほしいと願って書かれたものである。"(はしがきⅱ)


"本書は、序章の1から4までを除いて、コネチカット大学(アメリカ)マッケーン教授の著『老婚』を要約し、随時、ほかの資料や私の考えを加えたものである。"(はしがきⅲ)

 

↑↑↑この本は実は、海外からの本に乗っかって作られているのです。だからと言う訳ではありませんが、時の流れや地域を越えた普遍的な内容であると言えますね。


".......私は書中にたびたび出てくる retirement marriage,later marriage, marriage in the later years 等の英語をいずれもひっくるめて、「老婚」と訳したのである。"(3ページ)


↑↑↑もう少しセンスの良いネーミングだったら「婚活」のように時代を席巻したのかも知れませんが.......。


*残された人生に伴侶を求めて


"残された人生の航路を旅していくとき、ひとりぽっちではなく、いつも身近かに、話しかけあえる相手がいるという喜び、そして、そうした生活から与えられる満足、また、他人から大事にしてもらえるということ、他人の役に立っているということ、人の幸せのために生かされているということ、これらはいずれも、人間としての本能的なものであり、また、これなくしては人間として生きていく喜びのない、欠かすことのできないものではないだろうか。


夫婦というのは、この満足を与え、与えられる、最も近しい関係にあるものと言えよう。"(44ページ)


↑↑↑熟年婚活の場合、「生涯を共に過ごす愛する人が欲しい」と言う願いは切実です。ひとりよりも、素敵なパートナーと一緒に過ごす事が出来るのなら、どんなにか幸せな事でしょう!


楽しい事、そして苦しい事も分かち合える相手が欲しいのです。熟年、高齢なら尚更です。


*性的要求も


"再婚によって、老人は、再び、男として、また、女としての人生を生きることになるのである。手を差し伸べる人を必要としている人に、もう一度、そのチャンスを与えてくれるのである。"(45ページ)

 

*再婚の理由~話し相手を求めて


"人生の晩年の日々、無用感、孤立感、無為感、けん怠感におそわれながらも、なお、人は、誰かに自分の存在を認められたい、注目されたい、また、誰かの役に立ちたい、誰かを幸せにしたいという気持ちを持っているものである。


「私は寂しかったのです」

「私はひとりでいるのがいやでした」

「私は生活を共にする人がほしかったのです」

「私は私を必要とする人がほしかったのです」

「私は私のことを心にかけてくれる人がほしかったのです」

「私には、強い母性本能があったのだと思います。亡くなった夫は、いっときも私なしには生きていけない人でした。まるで子供みたいな人でした。私は、私がなくては生きていけない人がほしかったのです。」


こうした言葉は一人暮らしの生活の寂しさ、そして、なぜ再婚したのかをよく現しているといえよう。"(68ページ)


*打算も入って


"老人たちの中には、打算的な結婚をするものも少なくない。例えば


「もっと、健康的な環境が欲しくて結婚しました」

「家事や食事の世話をしてくれる人がほしくて結婚しました」

「私には力仕事などできませんので、男手がほしくて結婚しました」

「落ちついた家庭がほしくて結婚しました」

「老人ホームの生活にはあきあきしました。女というものは、たとえとしをとっても、自分の自由になる台所がほしいものです」

「ベッドを整えたり、衣類のことなど女のしごとです。かんづめのおかずにはもうあきあきしました。妻は、家事や料理など十分にやってくれています」

 

などという言葉もきかれた。"(74ページ)


*似た者夫婦


"我が国にも「似た者夫婦」という言葉がある。それは「夫婦はその性質・趣味などが相似るということ。また、性質・趣味などが似ている夫婦」(『広辞苑』)ということである。


 似た者夫婦はアメリカでも同じなのだろうか。

 

コネチカット調査によると、夫婦はお互いに人種、宗教、教育程度、社会階層、人生観などの点で似ているところが少なくなかったという。

 

そして、マッケーン教授によれば、こうした傾向は、ひとり、老人の結婚に限らず、若い人の結婚についても言えることであり、また、恋愛結婚についても、打算的な結婚についても、同様に言えることであるという。"(77ページ)

 

↑↑↑なるべく自分と近しい相手を探すこと。これは婚活での相手探しにおいても、確かな目安となるでしょう。


特に熟年婚活ともなると、生活を大きく変えなければならないような相手は避けた方が良さそう。


*成功した老婚の基準とは

 

この本で述べられている六つの基準のうち、私が特に大事だと思ったのが以下の2点です。


"夫婦がお互いには、相手を心から誇りに思っていること

 

(中略)相手の不平不満をここぞとばかりにぶちまけるのではなく、相手をほめる、場合によっては、のろけるということは、結婚がうまくいっていることを示すものであろう。"(85ページ)


↑↑↑この基準の中で、特に重要だと感じるのは「のろけ合う』ということ。要はお互いに「他者に対して、相手を自慢し、誉めそやす」こと。これは相手の自尊心を大いに満たすのと同時に、口に出す事で相手に対する愛情を強化する事になり、良い事づくめだと思います。


今、お相手がいる方は大いにのろけ、自慢して下さい!!幸せな出会いはのろけ合う事から、始まります。


"夫婦が互いに、思いやりを示していること


注意しなければ何気なく見すごしてしまうようなことも、結婚がうまくいっているかどうかを測る重要なモノサシである。

 

(中略)妻のためにスウェーターを持ってきてやる夫、妻の話に耳を傾けている夫、妻に疲れないかと声をかけている夫、妻が答えられないでいると助けてやる夫、妻の膝かけをなおしてやる夫、いずれもほほえましいばかりの心配りである。(中略)相手をいたわり、安心させ、慰めようという努力が見られる限り、結婚はうまくいっていると言えよう。(86ページ)

 

↑↑↑この本では、もっぱら夫が妻にかける優しい態度だけを例にしています。妻から夫への記述は一切ありません。これは極めて象徴的です。

 

つまりは、夫に尽くさせろと言う事です。


良い結婚生活を送りたければ、夫に世話を焼いてもらい、尽くしてもらうように仕向けて下さい。


*持ち家と再婚の成否


"(前略)住宅を持っていたからといって、再婚が必ずしもうまくいっているというわけのものでもない。むしろ、夫婦のうちいずれか一方しか持ち家を持っていない場合には、これをきれいさっぱり処分して、新居で新生活をスタートさせた方がうまくいっているものの割合がはるかに多い。"(167ページ)


*老婚を成功させる秘訣とは


"古くからの知り合いであること


(前略)最初の出会いから結婚までの期間の長い方のグループに、結婚生活がうまくいっているものの割合の多いことが知られるのである。"(218ページ)


"友人や親類が老婚に賛成してくれているということ

 

 友人や親類や子供の賛成を得、祝福を受けて結婚したものには、結婚生活のうまくいっている例が多い。"(220ページ)


"老後の役割変化にうまく適応できているということ


としをとるということは、いろいろな変化に出会うということである。それは家族構成上の変化であったり、社会的、環境的な変化であったりする。(中略)老齢期における各種の役割の後退、喪失にうまく適応している夫婦は結婚生活もうまくいっているものが多いということが知られているのである。"(221ページ)


"収入が十分にあるということ


 収入と結婚の成否との関連で重要なこと(中略)、それは、財布を一つにしているか、別にしているかということである。すなわち、二人の収入をあわせて使い、財産は持っていてもそれはいざというときのためにとっておき、最後には双方の子供たちにやることにしているという老夫婦には、結婚生活のうまくいっているものが多かった。"(226ページ)


子供達の同意を得て、2人の新しい愛の巣を確保する。お互いの友人達の賛同も、もちろん大事。お金の事はよくよく話し合って、誰がどう管理するか決めておくこと.......やらなければならない事は若い時の結婚よりも、多いかも知れません。


しかし、年齢を重ねてもなお異性に選ばれ得る対象であるという事は、今まで頑張って生きていた証。自分を磨き続けて来た者のみが享受出来る「特権」です。


恋愛エリートと言えるのではないでしょうか。


残りの人生を共に過ごす、愛すべきパートナーを見つけるのは大変な努力が必要ですが、出会い活動をたくさん重ねて、実り豊かな老後を送りたいものです。